本文へ移動
ベンチャー・スピリット!VENTURE SPIRIT

部門別DEPARTMENT

機密書類の廃棄 溶解とシュレッダーの違い、業者への頼み方と廃棄証明書

機密書類の廃棄は、シュレッダーでも溶解処理でも、元に戻せない方法なら足ります。量と記録の残り方での使い分け、業者に頼む段取りと見積もりで見る項目、廃棄証明書の項目と保管を押さえます。

コメント
文字
機密書類の廃棄 溶解とシュレッダーの違い、業者への頼み方と廃棄証明書

この記事でわかること

  • 元に戻せない方法なら、溶解もシュレッダーも使える。迷ったときの決め手は、量と記録の残り方。
  • 業者へは、回収の方法・処理の場所・再委託・証明書の発行を、見積もりの時点で聞いておく。
  • 廃棄証明書の様式は決まっていない。書かれている項目を見て、社内の台帳と結んで保管する。
対象総務実務

機密書類は、シュレッダーでも溶解処理でも、元に戻せない方法で捨てれば足ります。個人情報保護委員会のガイドラインは、書類を廃棄する方法の例に、焼却、溶解、適切なシュレッダー処理を挙げています。1

では、どちらを選ぶか。分かれ目は、捨てる量と、あとに残る記録です。年末の片づけで棚から書類の山が出てきたら、箱に詰める前に、この2つを見ておきたいところです。

元に戻せない方法なら、シュレッダーも溶解も使える

明るいオフィスの保管スペースで、紺のカーディガンを着た女性が段ボール箱にテープで封をしている。奥の台車には封をした箱が2つ、机にはシュレッダーとチェックリストを挟んだクリップボードがある。
書類の箱に封をして、台車に載せる準備をする総務イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

個人情報保護法のガイドライン(通則編)が求めているのは、手段の名前ではなく、復元できないことです。個人データが書かれた書類や機器を捨てるときは、復元不可能な手段で行います。あわせて、捨てた記録を残すこと、作業を業者に頼んだときは、確実に捨てたことを証明書などで確認することも挙げています。

マイナンバーが書かれた書類には、もう少し具体的な例があります。特定個人情報のガイドラインは、焼却、溶解、復元できない程度に細断できるシュレッダー、番号の部分のマスキングを、廃棄の方法の例にしています。2

なお、「機密書類」という言葉は、2つのガイドラインには出てきません。対象にしているのは、個人データとマイナンバーです。取引先との契約書や社内の資料は、その範囲に入るとは限りませんが、同じ方法で捨てておけば、社内で迷わずに済みます。

方法ごとの違いを、表にしました。量の欄は、ガイドラインに書かれた基準ではなく、編集部の目安です。

方法 誰が行うか 向いている量の目安 記録の残り方 気をつけること
シュレッダー 社内 毎日出る少量 社内の廃棄記録だけ 細断の細かさは機種で違うので、仕様を見る
溶解処理 業者 箱で数える量 廃棄証明書と社内の記録 渡してから処理までの、運搬と保管の管理
焼却 業者 箱で数える量 廃棄証明書と社内の記録 業者がどの処理をするかを、見積もりで聞く
マスキング 社内 保存を続ける書類 社内の記録 番号の部分を、復元できない程度に隠す
機密書類の捨て方を比べた図。表はシュレッダー(社内・毎日出る少量・社内の廃棄記録だけ)、溶解処理(業者・箱で数える量・証明書と社内の記録)、焼却(業者・箱で数える量・証明書と社内の記録)、マスキング(社内・保存中の書類・社内の記録)。選ぶ順番は、保存期間、書かれている内容、社内で終わる量か、記録の残し方の4つ。ガイドラインが書くのは、復元不可能な手段で捨てる、記録を保存する、業者には証明書などで確認する、責任ある立場の人が確認する、の4点。
シュレッダー・溶解処理・焼却・マスキングの違いと、選ぶ順番作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会 個人情報保護法ガイドライン(通則編)・特定個人情報ガイドライン(事業者編)

見落としやすいのは、手軽なシュレッダーのほうが、記録が弱くなりやすいことです。業者に頼めば廃棄証明書という紙が届きますが、社内で細断すると、残るのは自分で書いた記録だけになります。そのぶん、日付と量と確認した人は、細断したその日のうちに書いておくと安心です。

仕分けは、箱に入れる前に済ませる

捨てる前に、まず保存期間が過ぎているかを見ます。法律で残す年数が決まっている書類は、細断したあとでは戻せません。年数の一覧は書類の保存期間にまとめています。

捨ててよいと決まった書類は、箱に入れる前に、次の3つに分けておくと、あとの段取りが楽になります。分け方は編集部の例なので、社内に情報管理の規程があれば、そちらに合わせてください。

  • 個人情報やマイナンバーが書かれた書類。履歴書や応募書類、給与や社会保険の書類、顧客名簿の出力などです。
  • 取引先との契約や価格が分かる書類と、社外に出せない社内資料。
  • 外に出ても困らない書類。公開済みのパンフレットや、使い終わった案内などです。

1つ目と2つ目は、溶解かシュレッダーで捨て、記録を残します。3つ目は、自治体の分別に従って古紙などに出します。マイナンバーが書かれた書類は、保存期間が過ぎたら、できるだけ速やかに廃棄するよう求められています。数え方と廃棄できる日は、マイナンバーの管理で説明しました。

箱の底に、USBメモリやCDが混ざっていませんか。記録媒体は、紙とは別の方法で捨てます。ガイドラインの例は、データを消す専用のソフトウェアを使うか、物理的に壊す方法です。大掃除のなかでの扱いは、オフィスの大掃除の段取りにも書きました。

量を数えて、社内で終わる分を決める

仕分けが終わったら、箱を数えます。そして、1箱分を試しにシュレッダーにかけて、かかった時間を計ってみてください。その時間に箱の数を掛ければ、社内で終わるのか、業者に頼むのかが見えてきます。

毎日の少量は社内のシュレッダー、年に一度の山は業者の溶解処理、という二段構えにしている会社もあるでしょう。全部を業者に任せたほうが安心に思えるかもしれません。ただ、書類を会社の外に出すと、渡してから処理されるまでの管理を、会社が見届けることになります。社内で終わる量なら、その手間がありません。

社内で細断するなら、細断した人と、終わったことを確認する人を分けておきます。ガイドラインは、中小規模事業者の例として、削除や廃棄を責任ある立場の人が確認することを挙げています。

溶解処理を頼む段取り

業者に溶解処理を頼む段取りの図。段取りは、箱を数える、自治体の案内を見る、2〜3社に見積もりを頼む、項目で比べる、書面に入れてもらう、回収の日に箱を数える、証明書を台帳に結ぶの7つ。見積もりで聞く項目は、料金の決まり方、回収の方法、処理の方法と場所、立会いと記録、再委託、受け入れの条件、廃棄証明書。廃棄証明書の確認項目は、依頼した会社の名前、廃棄した日、廃棄した量、処理の方法、処理した会社と場所、再委託の有無、発行した日と担当者、証明書の番号。
溶解処理を頼む7つの段取りと、見積もりで聞く項目、廃棄証明書の確認項目作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)・特定個人情報ガイドライン(事業者編)

業者に頼むときの考え方は、通則編の委託先の監督が参考になります。委託先を選ぶこと、契約を結ぶこと、委託先の取扱状況を把握すること。この3つです。3書類の廃棄でも、この3つに沿って見積もりと契約を見ておくと、抜けが出にくくなります。

  1. 箱の数を数え、紙以外が混ざっていないか見る。
  2. 自治体の案内で、会社の紙くずの区分と、頼める業者の条件を見る。
  3. 同じ条件で、2〜3社に見積もりを頼む。
  4. 返ってきた答えを、下の表の項目で比べる。
  5. 契約や注文の書面に、秘密保持、再委託の条件、廃棄証明書の発行を入れてもらう。
  6. 回収の日に、箱の数を業者と一緒に数え、受け取りの控えをもらう。
  7. 処理が終わったら廃棄証明書を受け取り、社内の台帳に結ぶ。

料金は、量と回収の方法で変わります。そのため、この記事に金額は載せません。同じ条件で見積もりを出してもらい、料金の決まり方で比べるのが近道です。

見積もりで見る項目 聞くこと 見る理由
料金の決まり方 箱の数か重さか。最低料金はあるか。回収の費用は別か 同じ量でも、決まり方で総額が変わる
回収の方法 取りに来るか、持ち込みか。箱の貸し出しや、鍵と封はあるか 渡す前後の管理が違う
処理の方法と場所 溶解、細断、焼却のどれか。どこで、いつ行うか ガイドラインの例のうち、どれに当たるかが分かる
立会いと記録 処理に立ち会えるか。写真や映像などの記録は出るか あとから示せる材料が増える
再委託 別の会社に回すことはあるか。あるなら事前に連絡があるか 再委託先の取扱いも、委託元が監督する対象になる
受け入れの条件 金属のクリップやファイル、記録媒体は出せるか 出す前の準備が変わる
廃棄証明書 発行されるか。いつ、どんな形か。何が書かれるか 次の節で見る

表のなかでは、再委託が見落とされやすい項目です。通則編は、委託先が再委託をするときは、委託元が相手方や業務の内容について、事前に報告を受けるか承認することが望ましいとしています。さらに、委託元が必要な監督をしていないときに、再委託先が不適切な取扱いをすると、元の委託元の法違反と判断されることもあるとしています。4

契約の書面については、特定個人情報のガイドラインが、盛り込む内容を挙げています。秘密保持、再委託の条件、漏えいが起きたときの委託先の責任、契約が終わったあとの返却か廃棄などです。5溶解の依頼でも、注文書や見積書に、この内容が書かれているかを見ておきます。

廃棄証明書に書かれている項目と、社内の記録

廃棄証明書は、書類を渡した側が、確実に捨てられたことを示す紙です。ガイドラインは、通則編も特定個人情報のガイドラインも、「証明書等」で確認するとだけ書き、様式や項目は決めていません。業者ごとに書き方が違うので、届いた証明書に、次の項目が書かれているかを見ます。項目は一例です。

証明書は、それだけで足りるわけではありません。通則編は、記録の例として、データベースなどの削除や廃棄の状況を挙げ、そこに委託した場合の消去や廃棄を証明する記録を含めています。6つまり、証明書は社内の記録の一部として、保管するものです。

社内の記録は、社内で細断した分も含めて、1冊の台帳にそろえます。書く項目の例は、次のとおりです。

廃棄した日 書類の名前と年度 量 方法 実施した人 確認した人 証明書の番号
12月〇日 〇〇の書類 〇年度分 箱〇つ 溶解(業者に委託) 総務担当 総務の責任者 〇〇
12月〇日 〇〇の書類 〇年度分 約〇枚 シュレッダー(社内) 総務担当 総務の責任者 なし

保管の場所は、廃棄する書類の台帳と同じ場所にします。箱のラベルの番号と、証明書の番号を結んでおくと、あとから「この箱はいつ、どこで処理されたか」をたどれます。台帳の作り方は書類の保存期間の段取りと同じ形です。

証明書や記録を、何年残すか。ガイドラインに年数は書かれていません。社内の文書管理の規程に書いて、決めておきます。会社の事情に合う年数は、顧問の弁護士や社会保険労務士に相談する方法もあります。

紙くずの扱いは、自治体の案内で見る

書類を捨てる作業は、廃棄物処理法の対象にもなります。この法律は、事業者に、事業活動に伴って出た廃棄物を、自分の責任で適正に処理するよう求めています。7細断した紙くずも、業者に出す書類も、会社の事業活動から出たものです。

紙くずが産業廃棄物になるかどうかは、出した業種で決まります。政令が挙げているのは、建設業で工作物の新築、改築、除去に伴って出たもの、パルプや紙、紙加工品の製造業、新聞業のうち新聞巻取紙で印刷発行をするもの、出版業のうち印刷出版をするもの、製本業と印刷物加工業です。8

この業種に当たらない会社の紙くずは、産業廃棄物ではなく、一般廃棄物になります。法律が、一般廃棄物を産業廃棄物以外の廃棄物と定めているためです。9一般廃棄物の収集か運搬を業として行うには、市町村長の許可が要ります。ただし、事業者が自分で運ぶ場合や、専ら再生利用の目的の一般廃棄物だけを扱う者などは、許可の例外です。10産業廃棄物に当たるときは、運搬と処分を、許可を受けた業者などに委託します。11

どちらに当たるか、溶解の業者に頼めるのはどの区分か。その細かい扱いは、自治体の案内で見ます。業者には、許可の有無を聞いておくと安心です。

「いつ、誰が、どう捨てたか」に答えられる総務へ

シュレッダーか、溶解か。迷ったら、箱を数え、処理の時間を計り、記録の残し方まで決めてから選びます。

年末の片づけは、一日の作業です。けれど、廃棄の台帳と証明書は、次の年も、次の担当者のところに残ります。たとえば「去年の応募書類は、12月に箱3つ、溶解で処理しました」と、日付と数字で言えると、取引先や社内から聞かれたときに、頼りにされやすくなります。

この記事は、2026年10月28日時点の、個人情報保護委員会のガイドラインと、e-Gov法令検索の廃棄物処理法と同施行令をもとにしています。自社の紙くずの区分や、業者の許可は、自治体の窓口にも確認してください。

注

  1. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」10(別添)講ずべき安全管理措置の内容、10-5(物理的安全管理措置)の(4)個人データの削除及び機器、電子媒体等の廃棄 ↩

  2. 個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(別添1)特定個人情報に関する安全管理措置、物理的安全管理措置の削除、廃棄に関する部分。保存期間を過ぎた個人番号の廃棄は第4-3-(3)のB節 ↩

  3. 通則編3-4-4(委託先の監督)。個人情報保護法第25条 ↩

  4. 通則編3-4-4(委託先の監督)の(3)委託先における個人データ取扱状況の把握と、その注(※4) ↩

  5. 特定個人情報ガイドライン(事業者編)第4-2-(1)委託の取扱い、1のB(必要かつ適切な監督) ↩

  6. 通則編10-3(組織的安全管理措置)の、取扱状況を確認するための記録の例 ↩

  7. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第3条第1項 ↩

  8. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条第1号 ↩

  9. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第2項 ↩

  10. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条第1項 ↩

  11. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第12条第5項 ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、保存・いいね・共有をお願いします

コメントを読み込んでいます