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36協定の書き方と届け出 特別条項の上限と様式の記入例・電子申請

36協定の書き方と届け出を、労働基準法36条・施行規則16条17条と厚生労働省の記載例で確かめました。月45時間・年360時間と特別条項の上限、様式第9号と第9号の2の記入例、過半数代表者の選び方、電子申請、周知と保存、更新の時期をまとめます。

公開 約11分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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36協定の書き方と届け出 特別条項の上限と様式の記入例・電子申請

この記事でわかること

  • 時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間で、特別条項でも年720時間・月100時間未満などの線を超えられません。
  • 様式第9号と第9号の2の主な欄を架空の会社の記入例で見て、過半数代表者の選び方と電子申請での届け出方も分かります。
  • 届け出のあとの周知、保存、次の期間の更新の段取りと、よくある誤りを確かめられます。
対象労務実務

時間外労働や休日労働をさせるには、会社と働く人の代表が「36協定」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。この記事では、2026年10月21日時点の労働基準法と厚生労働省の記載例にもとづき、上限の数字、様式の記入例、過半数代表者の選び方、電子申請、周知と保存、更新の時期をまとめました。制度そのものの説明は短くして、書いて出すところに絞っています。

36協定の書き方と届け出は何が決まりか

労働時間は、原則として1日8時間・1週40時間までで、休日は毎週少なくとも1回です。これを超えて働かせる、または法定休日に働かせるには、労働基準法36条にもとづく労使協定(36協定)を書面で結び、行政官庁に届け出ます。就業規則の作り方や届け出は就業規則とはで説明しているので、ここでは36協定だけを扱います。

協定を結んだだけでは足りません。条文は「協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては」時間外・休日労働をさせられるとしています。届け出てはじめて使える協定です。届け出は事業場ごとに、所轄の労働基準監督署長に出します(施行規則16条)。工場、支店、営業所ごとに1通ずつ、というイメージです。

届出を忘れたり、協定の時間を超えて働かせたりすると、労働基準法32条違反になります。厚生労働省の解説は、罰則を「6か月以下の懲役(現在の条文は拘禁刑)または30万円以下の罰金」と案内しています。

上限の早見表 特別条項でも超えられない線

2019年4月(中小企業は2020年4月)から、時間外労働の上限が法律に書かれ、罰則も付きました。それまでは大臣告示による行政指導で、特別条項を付ければ上限なしで働かせることもできました。いまは、特別条項を付けても超えられない線があります。

時間外労働の上限を4つの区画で示した図。原則は時間外労働が月45時間・年360時間(3か月超の1年単位変形労働時間制は月42時間・年320時間)で、協定には1日・1か月・1年を定める。特別条項を付けたときは年720時間以内、月100時間未満(時間外と休日労働の合計)、月45時間を超えられるのは年6か月まで。特別条項の有無に関係なく、どの1か月も時間外と休日労働の合計が100時間未満、2から6か月のどの平均も80時間以内。2024年4月から適用された建設業・自動車運転・医師は、建設は災害の復旧復興を除き原則どおり、自動車運転は特別条項の年上限960時間、医師は水準ごとの上限。下に、違反すると6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。
時間外労働の上限の早見表(原則・特別条項・常に守る線・業種の特例)作成: 編集部 / もとの資料: 労働基準法第36条・第139〜141条・厚生労働省の解説資料
区分 上限 何を数えるか
原則(限度時間) 1か月45時間・1年360時間 時間外労働のみ
3か月超の1年単位変形労働時間制 1か月42時間・1年320時間 時間外労働のみ
特別条項の年間 年720時間以内 時間外労働のみ
特別条項の1か月 月100時間未満 時間外労働と休日労働の合計
月45時間を超える月数 年6か月まで 月数
どの月も 月100時間未満 時間外労働と休日労働の合計
2〜6か月の平均 どれも月80時間以内 時間外労働と休日労働の合計

特別条項がなくても守る線がある

見落としやすいのは、最後の2行です。月100時間未満と、2〜6か月平均80時間以内は、特別条項があるかどうかに関係なく、実際の労働時間で守ります。厚生労働省の解説の例では、時間外が44時間で、休日労働が56時間なら、合計100時間で違反です。時間外だけを見ると45時間以内なので、気づきにくい場面です。

「時間外労働」は、会社が決めた所定労働時間を超えた時間ではなく、1日8時間・1週40時間の法定労働時間を超えた時間をいいます。休日労働も、会社の所定休日ではなく、法定休日に働いた時間です。給与計算の残業時間と数が違うことがあるので、勤怠の集計はこの区別で見ます。

2024年4月から適用された業種

建設業、自動車運転の業務、医師は、上限規制の適用が5年間猶予されていましたが、2024年4月から適用されています。建設業は、災害の復旧・復興の事業を除き、原則どおりです。自動車運転の業務は、特別条項の年間の上限が960時間で、月100時間未満と平均80時間以内、月45時間超は年6か月までの規制は適用されません。医師は水準ごとに別の上限があります。この3つは専用の様式を使う場合があり、施行規則70条に様式が定められています。該当する会社は、所轄の労働基準監督署や厚生労働省の解説で個別に確かめてください。新技術・新商品の研究開発業務は、上限規制の対象外で、専用の様式第9号の3を使います。

様式第9号の記入例 一般条項の主な欄

ここからは、架空の会社の記入例です。株式会社みなと文具(架空・卸売業・従業員約60人)の本社が、受注が集中する時期と月末の締めに備えて協定する、という設定にしました。会社名・人数・時間はすべて作例です。有効期間は1年、起算日は有効期間の初日と同じです。

欄 記入例
事業の種類・名称・所在地 事務用品卸売業・株式会社みなと文具 本社・所在地を番地まで
労働保険番号・法人番号 本社の番号を記入
協定の有効期間 2026年11月1日から1年間(1年間が望ましい)
起算日 2026年11月1日(その1年の上限を数える始まりの日)
時間外労働をさせる事由 「受注の集中」「月末の決算事務」など、具体的に
業務の種類 「出荷・梱包」「経理」のように細かく分ける
労働者数(満18歳以上) 出荷・梱包 12人、経理 4人
所定労働時間 7.5時間(9時から17時30分・休憩1時間の場合)
延長時間(出荷・梱包) 1日3時間・1か月40時間・1年300時間
延長時間(経理) 1日2時間・1か月25時間・1年200時間
休日労働 事由「臨時の受注」・出荷・梱包・12人・月1日・始業9時から終業17時30分
労働者代表の職名・氏名 検査課主任(例)・氏名
選出方法 「投票による選挙」
使用者の職名・氏名 代表取締役・氏名
チェック欄 労働者代表が管理監督者でないこと、選出方法が適正であること
もう1つのチェック欄 時間外と休日の合計が月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内であることを確認

書くときの注意

  • 業務の種類は細かく分けます。厚生労働省の指針は、工程ごとに労働時間管理をしているのに「製造業務」とまとめるような書き方は、細分化が不十分としています。
  • 事由は具体的に書きます。「業務の都合上必要なとき」では広すぎます。
  • 協定届と協定書を兼ねない場合は、協定を別の書面で結び、内容を協定届に転記して出します。兼ねる場合は、労使双方の記名押印または署名などが必要です。
  • 記入例の「(任意)」の欄は、記載しなくても構いません。

様式第9号の2の記入例 特別条項の主な欄

臨時的に月45時間・年360時間を超える可能性があるときは、様式第9号の2を使います。1枚目は一般条項(第9号と同じ内容)、2枚目が特別条項です。2枚目の項目名は様式のバージョンで多少違うので、最新の様式をダウンロードして確かめてください。

欄 記入例
臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合 「決算期に、取引先からの追加の大量受注が突発的に入り、納期が逼迫したとき」
業務の種類・人数 出荷・梱包 12人
限度時間を超えて労働させることができる回数 年4回(6回以内)
1か月の延長時間(時間外と休日労働の合計) 80時間(100時間未満に限る)
1年の延長時間(時間外のみ) 600時間(720時間以内に限る)
限度時間を超えた労働の割増賃金率 30%(25%を超える率にするよう努める)
手続 労働者代表に書面で事前に通知する(例: 実施の3日前まで)
健康・福祉を確保する措置 医師による面接指導・終業から始業までの休息時間の確保

数字の関係は、協定を作る前に確かめます。この例の「1年600時間」は、1枚目の1年の限度(出荷・梱包は300時間)を超えた分も含めた、時間外労働の年間の総量です。1か月の80時間は時間外と休日労働の合計なので、休日労働を含めて100時間未満に収まっています。さらに実際の勤務では、2〜6か月のどの平均も80時間以内になるよう、月ごとに確かめます。月の上限と年の上限の両方を管理するのが実務の要点です。

限度時間を超えて働かせる人の健康確保の措置は、指針が挙げる例(医師による面接指導、深夜業の回数制限、勤務間インターバル、代償休日、健康診断、連続休暇、相談窓口、配置転換、産業医の助言など)から選んで協定します。措置の実施状況の記録は、協定の有効期間中と、その満了後5年間保存します(施行規則17条2項)。

過半数代表者の選び方と注意

協定を結ぶ労働者側の相手は、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合です。そういう組合がなければ、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)になります。「労働者」には、パートやアルバイトも含まれます。

過半数代表者の条件

施行規則6条の2は、次の2つを満たす人とします。

条件 内容
管理監督者でないこと 労働基準法41条2号の「監督又は管理の地位にある者」ではない
選び方が適正であること 協定を結ぶ人を選ぶと明らかにして、投票・挙手などで選ぶ。使用者の意向で選ばれた人ではない

また、使用者は、過半数代表者になろうとしたことや、正当な行為をしたことを理由に、不利益な取り扱いをしてはいけません。協定の事務を円滑に進められるよう、事務スペースや社内メールの利用などの配慮も要ります。

実務では、次のように進める会社が多いでしょう(編集部の例です)。

届け出の流れと電子申請

流れは、締結、届出書の作成、届け出、周知です。協定の有効期間が始まる前に、届け出を済ませるのが原則です(条文の読み方による編集部の考えです)。協定届に代表者の署名がそろったところで、慌てて出さずに済むよう、有効期間の初日の1か月前を締め切りに、社内の日程を組むと安全です。

36協定の流れを6段階で示した図。1 時間外・休日労働が必要な仕事を洗い出す、2 労働者の代表(過半数労働組合または過半数代表者)を決める、3 書面で協定を結ぶ、4 様式第9号または第9号の2で労働基準監督署に届け出る(電子申請可・押印署名不要)、5 働く人に周知する(労働基準法第106条)、6 保存し次の期間の前に更新する。下段に、届出の先、届出のタイミング、協定と届出書は別のものという3つの注意。
36協定の作成から届け出・周知・更新までの6段階作成: 編集部 / もとの資料: 労働基準法第36条・第106条・施行規則第16条・厚生労働省「36協定届の記載例」

届け出の方法

方法 内容
電子申請 e-Gov電子申請から。窓口へ行かなくてよい。2021年4月から電子署名・電子証明書は不要
窓口・郵送 事業場の所轄の労働基準監督署へ。控えの受け取り方は、出す先の窓口に確かめる

電子申請では、受付印の付いた控えをダウンロードできます(2023年2月から27の手続に拡充)。複数の事業場の36協定を本社で一括して届け出る手続も、電子申請で使えます。社会保険労務士が代行するときは、提出代行に関する証明書を添付します。

2021年4月の様式の変更で、協定届に使用者の押印や署名が要らなくなり、代わりに労働者代表のチェック欄が加わりました。ただし、押印の廃止は協定届の話です。協定そのものには、労使の合意が分かる記名押印または署名などが必要なので、混同しないようにします。チェックのない協定届は、有効な協定届とは扱われません。古い様式を使い続けている会社は、新様式に入れ替えます。

周知・保存・更新で見落としやすい点

周知は労働基準法106条の義務

36協定は、届け出たら終わりではありません。106条は、協定を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示するか備え付ける、書面を交付する、といった方法で労働者に周知することを使用者に求めています。施行規則52条の2は、電子ファイルに記録して、労働者が常時確認できる機器を作業場に設置する方法も認めています。周知を怠ると、30万円以下の罰金の対象です(120条)。

保存と更新

項目 内容
協定書・届出の控え 労働関係の重要書類として、法律上は5年(当分の間3年)の保存義務があります(109条・附則143条)。36協定がこれに当たるかは、念のため3年以上、できれば5年残すのが安全です(編集部の考えです)
健康確保措置の記録 協定の有効期間中と満了後5年間(施行規則17条2項)
有効期間 1年間が望ましい(厚生労働省の記載例)
更新 期限が切れる前に新しい協定を結んで届け出る。更新する旨の協定を届け出る方法も可(施行規則16条3項)

有効期間が切れた後に届け出ても、切れていた期間の時間外労働は、協定なしの状態です。協定の期限は、総務・労務の年間の予定表に入れておきます。年間の仕事の並びは総務の年間スケジュールの考え方が使えます。

よくある誤り

誤り 直し方
月45時間を超える月を、年6か月を超えて入れる 回数(月数)を数えて、年6か月以内に収める
時間外だけを見て、休日労働を足さない 毎月、時間外+休日労働の合計を100時間未満・平均80時間以内で確かめる
事由が「業務の都合上必要なとき」 臨時的な特別の事情を具体的に書く
管理職や会社が指名した人が労働者代表 投票・挙手で選び直す。管理監督者は外す
届け出た後に周知していない 掲示・交付・電子ファイルのどれかで、全員が見られる状態にする
旧様式のままで、チェック欄がない 最新の様式に入れ替える
起算日が協定ごとにばらばら 1年の上限を数える起算日を、年をまたいで一定にする
事業場が複数なのに、本社だけで届出 事業場ごとに作る。本社一括届出の対象かを確かめる

勤怠の集計の見方は、業種別の給与と残業時間で、統計の所定外労働時間と法律の「時間外労働」の違いを説明しています。契約時の労働条件は労働条件通知書の書き方とあわせて見直すと、所定時間外労働の有無の書き方がそろいます。

今日からできること

  1. 今の36協定の有効期間の終わりと、次の更新の届出の予定日を、社内の予定表に入れます。
  2. 協定の様式が、2021年4月以降の新様式(チェック欄あり)かを確かめます。
  3. 過去1年の勤怠から、月45時間を超えた月数と、時間外と休日労働の合計が80時間を超えた月がないかを数えます。
  4. 労働者代表が、管理監督者でないか、投票・挙手で選んだ記録があるかを確かめます。
  5. 協定が、見やすい場所への掲示や社内ポータルで、全員が見られる状態かを確かめます。
  6. 電子申請を使うなら、e-Govのアカウントの準備と、本社一括届出の対象かを確認します。

この記事は、2026年10月21日時点の労働基準法・同施行規則と厚生労働省の資料にもとづいています。個別の協定の内容や、建設・運転・医師の様式の選び方は、社会保険労務士、または所轄の労働基準監督署の窓口に確かめてください。

よくある質問

Q36協定の届出書に、会社の押印や代表者の署名は必要ですか。

A2021年4月から、労働基準監督署へ出す36協定届には、使用者の押印や署名は求められていません。ただし、協定届を協定書として兼ねる場合は、労使双方の合意が分かるよう、記名押印または署名などが要ります。電子申請でも、協定そのものには労働者代表の署名または記名押印などが必要です。

Q特別条項は、決めておけば毎月月45時間を超えて働かせてよいのですか。

Aいいえ。月45時間を超えられるのは年6か月までです。理由も「通常予見できない業務量の大幅な増加など臨時的な特別の事情」に限られ、「業務の都合上必要な場合」のような書き方は認められません。年720時間、月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内の線も守ります。

Q36協定は、毎年届け出し直す必要がありますか。

A有効期間を1年にした協定は、1年ごとに新しい協定を結んで届け出るのが基本です。厚生労働省の記載例は、有効期間を1年間とすることが望ましいとしています。施行規則16条3項は、協定を更新するときは、更新する旨の協定を届け出ることで届出に代えられると定めています。

Q会社が選んだ人を過半数代表者にしてもよいですか。

Aできません。施行規則6条の2は、使用者の意向に基づき選出された者でないことを求めています。会社の指名や、親睦会の代表が自動的になる形は不適切とされています。協定を結ぶ人を選ぶことを明らかにして、投票や挙手などで選びます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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