2025年の65歳以上の就業者は943万人で、22年連続で増えて過去最多になりました。働く人全体の13.8%、およそ7人に1人です。65歳以上の人口に占める就業者の割合(就業率)は26.0%で、65〜69歳だけを見ると54.5%と半数を超えています1。シニアの活用を考えるなら、「65歳以上」でひとまとめにせず、年代と働き方に分けて自社の数字と並べてみましょう。
65歳以上の年代別の就業率の推移(2015年〜2025年)作成: 編集部 / 出典: 総務省統計局
65歳以上の就業者数は、10年で211万人増えた
10年前の2015年は732万人でした。増えた211万人の内訳は女性が112万人、男性が99万人で、女性のほうが多く増えています(編集部の計算)1。
| 年 |
65歳以上の就業者 |
うち男性 |
うち女性 |
就業者全体に占める割合 |
| 2015年 |
732万人 |
443万人 |
289万人 |
11.4% |
| 2017年 |
806万人 |
483万人 |
323万人 |
12.3% |
| 2019年 |
890万人 |
529万人 |
360万人 |
13.2% |
| 2021年 |
909万人 |
536万人 |
373万人 |
13.5% |
| 2023年 |
914万人 |
534万人 |
380万人 |
13.5% |
| 2024年 |
930万人 |
538万人 |
391万人 |
13.7% |
| 2025年 |
943万人 |
542万人 |
401万人 |
13.8% |
増え方は一定ではありません。2015年から2019年は年に平均40万人ほど増えましたが、2019年から2023年は平均6万人ほどに鈍りました。2024年は16万人、2025年は13万人の増加で、また少し勢いが戻っています(編集部の計算)。
人口が増えたから、とも言い切れません。2026年9月15日現在の推計で、65歳以上の人口は3,624万人と、前年より2万人しか増えていないからです2。人口の伸びが鈍っても働く人が増えるのは、働く割合そのものが上がっているためと読めます(編集部の見立て)。
仕事を探している人まで含めた労働力人口では、65歳以上は2015年の746万人から2025年の960万人に増えました。労働力人口全体の7,004万人のうち、約13.7%です3。就業者との差の約17万人が、仕事を探している65歳以上という計算になります(編集部の計算)。
就業率は、年代で大きく違う
65〜69歳の就業率は、10年で41.5%から54.5%へ13.0ポイント上がりました。70〜74歳も24.9%から36.2%へ、11.3ポイントの上昇です。75歳以上は8.3%から12.6%で、伸びはゆるやかです。どの年代も、比較できる統計が残る年以降で最も高い水準です1。
一方、65歳以上全体は21.7%から26.0%で、4.3ポイントしか上がっていません。65〜74歳より伸びが小さく見えるのは、就業率の低い75歳以上の人が増えて、全体の数字を下げているからでしょう(編集部の見立て)。採用や再雇用を考えるときは、「26.0%」より年代別の数字のほうが役に立ちます。
海外と比べても、日本は高いほうです。2025年の65歳以上の就業率は、韓国が39.5%、日本が26.0%、アメリカが18.4%、カナダが14.6%、イギリスが12.7%、ドイツが10.2%でした1。
雇われて働く人の76.1%は非正規
働き方の内訳も見ておきましょう。65歳以上の就業者のうち、役員を除く雇用者が586万人で62.7%、自営業主と家族従業者が239万人で25.6%、会社などの役員が109万人で11.7%です1。
65歳以上の就業者の働き方と雇用形態(2025年)作成: 編集部 / 出典: 総務省統計局
雇用者の586万人では、正規が140万人、非正規が446万人で、非正規が76.1%を占めます。パート・アルバイトだけで309万人です1。
この10年で増えたのは、非正規が178万人、正規が47万人でした。非正規の増加のうち、70〜74歳が76万人、75歳以上が71万人で、大半を70歳以上が占めます。65〜69歳は32万人の増加です。ただ、正規も各年代で15万人前後増えていて、65歳を過ぎて正規で働く人も少しずつ増えています1。
人数が多いのは小売と医療・福祉
業種別では、人数と割合で顔ぶれが変わります1。
| 順位 |
65歳以上の就業者が多い業種 |
就業者に占める65歳以上の割合が高い業種 |
| 1 |
卸売業、小売業(131万人) |
農業、林業(50.6%) |
| 2 |
医療、福祉(122万人) |
不動産業、物品賃貸業(29.0%) |
| 3 |
サービス業(他に分類されないもの)(108万人) |
サービス業(他に分類されないもの)(22.4%) |
| 4 |
農業、林業(88万人) |
生活関連サービス業、娯楽業(18.7%) |
全体の13.8%と比べて自社の業種がどちらに寄っているかを見ると、社内で説明するときの材料になります。
再雇用のあとの働き方は、本人と紙を見ながら話し合う(イメージ)イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
人事や総務が自社と比べるときの見方
13.8%は、自営業の人や役員も含めた数字です。社員の年齢構成と比べるなら、役員を除く雇用者で見るほうが近くなります。雇用者は全体で5,837万人、そのうち65歳以上は586万人なので、約10.0%です(編集部の計算)3。
この割合より高いか低いかで、良し悪しが決まるわけではありません。業種や規模で事情は違います。ただ、年代ごとの人数を並べると、5年後に何人が65歳や70歳を超えるかが見えてきて、制度を見直す時期を決めやすくなります(編集部の見立て)。
数字を見たら、次の3つにつなげましょう。
自社で確認すること
- 65歳以上の社員の割合を出し、雇用者全体の約10.0%と比べたか
- 65〜69歳、70〜74歳、75歳以上に分けて人数を出したか
- 5年後にそれぞれの年代へ入る人数を見たか
- 雇用形態ごとの人数と、再雇用のあとの仕事と賃金を説明できるか
- 70歳までの就業確保の措置を検討したか
- 高年齢者の労災を防ぐ指針に沿って、職場の点検を始めたか
この記事の数字は、総務省統計局が2026年9月20日に公表した統計トピックスNo.149と、労働力調査の2025年平均の結果を、2026年11月5日に確認したものです。労働力調査は標本調査で、内訳の合計は四捨五入の関係で合計と一致しないことがあります。