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副業の業務委託契約書、署名前の確認点 報酬から解除までの8か所

副業の業務委託は、相手が一人で営む個人や会社だと、60日以内の支払いも30日前の予告もフリーランス法の義務になりません。署名の前に見る8か所と、直してほしいときの頼み方の文例で、入金額や修正の回数、途中で終わったときの精算を押さえます。

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副業の業務委託契約書、署名前の確認点 報酬から解除までの8か所

この記事でわかること

  • 発注者が従業員のいない個人や一人社長なら、フリーランス法の60日払いや予告はない。
  • 報酬10万円でも入金は89,790円から11万円まで。税込か税別かと源泉徴収を見る。
  • 修正は回数と超過料金、途中終了は割合に応じた報酬。国のひな型が交渉の手本になる。
  • 制作料を受け取っただけでは著作権は移らない。譲渡なら範囲と対価を書いてもらう。
対象実務

副業の話がまとまって、業務委託契約書のPDFが届く。本業のあとに細かい条文を最後まで読むのは、なかなか大変ですよね。

見るのは8か所で足ります。ただ、その前に聞いておきたいのが、相手に従業員がいるかどうか。相手が一人で営む個人や会社なら、フリーランス法の支払期日も解除の予告も義務にならず、契約書の言葉がいちばんの頼りになります。

法律が守る範囲は、相手と期間で変わる

夕方の窓辺の机で、クリーム色のブラウスを着た30代前半の女性が、手前の契約書を落ち着いて見下ろしている。灰色の線だけが描かれた綴じた書類の右端に、紺とローズの付せんが8枚並び、上に紺のペンが置かれている。そばには閉じたノートパソコンがある。
届いた契約書の見る所に、付せんを貼っていくイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

厚生労働省の案内によると、会社に雇われている人が「副業で行う事業について、事業者として他の事業者から業務委託を受けている場合」も、フリーランス法の「特定受託事業者」に当たります。自分が従業員を使っていないことが前提で、発注者の義務は相手の形で変わります。1

法律の決まり 従業員のいない個人、一人社長の会社 従業員がいる相手、役員が2人以上の法人
条件を書面やメールで示す 義務 義務
受け取った日から60日以内の具体的な日に払う 義務ではない 義務
報酬の減額や不当なやり直しなど7つの禁止 対象外 1か月以上の委託で対象
解除や更新しないときの30日前の予告 対象外 6か月以上の委託で対象

まず見るのは真ん中の列です。知人の個人事業主から受ける仕事なら、ここに入るかもしれません。

従業員に当たるのは、週20時間以上で31日以上の雇用が見込まれる人。「従業員の方はいらっしゃいますか」と聞けば足ります。

フリーランス法の義務を、発注者の形と委託の期間で分けた図。一人で営む相手(従業員を使わない個人、役員が代表者だけで従業員もいない法人)の義務は、どの期間でも条件を書面やメールで直ちに示すことと、行政への申し出を理由に不利益に扱わないことだけで、支払期日、減額、やり直し、解除の予告は契約書で決める。従業員や役員がいる相手(従業員を使う個人、役員が2人以上か従業員を使う法人)は、どの期間でも条件の明示、受け取った日から60日以内の具体的な日の支払い、ハラスメントの相談体制、正確で最新の募集情報が義務。1か月以上は7つの禁止行為(受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用の強制、利益の提供の要請、不当な変更・やり直し。役務だけの委託は受領拒否と返品を除く)。6か月以上は解除や更新しないときの30日前の予告、理由の開示、育児や介護への配慮が加わり、6か月未満の配慮は努力義務。従業員は週20時間以上で31日以上の雇用が見込まれる人で、同居の親族だけなら従業員を使っていないと扱う。委託の期間は契約を結んだ日から納期か契約の終わりの遅いほうまでで、同じ相手、同じような内容で間が1か月未満の更新は通算。実態が労働者なら労働基準法などが適用され、フリーランス法は適用されない。
発注者の形と委託の期間で変わる、フリーランス法の義務の範囲(2026年10月時点)作成: 編集部 / 出典: 公正取引委員会 フリーランス法Q&A、厚生労働省、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律

契約書が届かなくても、条件を書面やメールで示す義務は相手がだれでもあります。フリーランス・トラブル110番の相談事例集には、口約束のまま未払いが70万円に達した例もありました。業務内容と報酬額だけでも、メールで合意してから始めましょう。

自分の契約書と比べる相手には、国のガイドラインに付いている契約書のひな型が使えます。短い書式で、使用例付きです。会社の側の見方は契約書のチェックポイントへ。

「報酬10万円」の入金は2万円以上ずれる

金額の欄は、数字より隣の言葉を先に読みます。

契約書と請求書の形 請求額 源泉徴収 入金額
税別10万円、源泉徴収なし 110,000円 なし 110,000円
税込10万円、源泉徴収なし 100,000円 なし 100,000円
税別10万円、源泉徴収あり(請求書で消費税を分ける) 110,000円 10,210円 99,790円
税込10万円、源泉徴収あり(請求書で消費税を分けない) 100,000円 10,210円 89,790円

消費税10%、対象の額が100万円以下のときの計算です。上と下の差は20,210円。請求書で消費税を分けないと、消費税を含めた全額に10.21%がかかります。

源泉徴収がかかるのは、原稿やデザインの報酬、講演料など。給与を払っていない個人が相手なら引かれません。2請求書は源泉徴収ありの請求書の書き方、インボイスは副業のインボイス登録は必要?で詳しく説明しています。

支払期日は、日付まで決まっているでしょうか。従業員がいる相手なら60日以内で、数え始めるのは原則として、検収が済んだ日ではなく受け取った日です。書き方の良しあしはフリーランス法の発注書が参考になります。

見落としやすいのは手数料と経費です。1か月以上の委託で従業員がいる相手なら、振込手数料を報酬から引くことは、合意があっても減額に当たります。交通費や素材代は、精算について何も書いていないと、書かれた報酬の額だけを払う意味になります。3国のひな型には「諸経費は、甲の負担とする。」「振込手数料は、甲の負担とする。」とあります(甲は発注者)。

納期は「完了の日」と修正の回数まで

「業務委託」は民法の契約の種類にはない名前です。仕事を完成させて報酬を得るなら請負、事務の処理を引き受けるなら準委任に近い形になります。4「完成」「検収」とあるか、「稼働」「月○時間」とあるかで、おおよその見当はつきます。

作る仕事なら、発注者の確認がいつ終わるかも書いてあるとよいでしょう。納期の日付だけでは、完了したのかどうかが宙に浮きます。

修正は、もめやすい所かもしれません。110番の事例には、15万円で合意した動画を納品したら「この出来では5万円しか出せない」と言われた相談がありました。回数と料金が書いてあれば、話し合いの土台になります。国の使用例は雑誌の原稿の仕事で、修正指示を2回まで、1回あたり1,000円(税別)としていました。

権利と秘密は、次の仕事に響く

制作料をもらったら、著作権も渡したことになるのでしょうか。

110番の事例によると、対価を受け取っただけでは譲渡になりません。でも、契約書に「著作権は甲に譲渡する」とあれば渡すことになるので、対価も読んでおきたいところ。国の使用例には、報酬5万円とは別に著作権の対価を1万5,000円とする書き方が載っています。

実績として名前を出せるかも、見ておきたい1行です。転職や次の案件で話せるかどうかが、ここで変わります。国のガイドラインも、実績の公表を必要以上に一方的に制限する秘密保持義務を、問題となり得る例に挙げています。

秘密保持には向きが2つあります。副業先の情報は、範囲と期間に加えて、生成AIに入力してよいかも聞いておくと迷いません。本業の情報は、持ち込まないこと。雇われている人には勤め先の秘密を守る義務があるので、顧客リストや資料を使い回さず、本業のパソコンやアカウントでも作業しないと決めておきます。5

「競合先の業務をしない」のような条項があれば、本業の勤め先が当たらないか読み返してみてください。本業の決まりは副業の就業規則の確認へ。

途中で終わるときのお金を決めておく

解除の予告は、表のとおり限られた場面の義務です。予告がなかったときに解除が有効かどうかも、この法律では決まらず、民事の争いになります。6

だから、途中までの報酬を見ておきます。民法には、すでにした分の割合で報酬を請求できる場合の定めがあります。7それでも110番には、3か月の契約を途中で解除したら「報酬は一切支払わない」と言われた相談もありました。国のひな型の「中途で終了した場合でも、実施割合・機能に相当する報酬を支払う。」の1行があれば、話はずっと早いはずです。

自分からやめるときの手順も、副業なら見ておきたい所です。本業の異動や忙しさで続けられなくなることは、十分ありますよね。民法では、準委任に当たる形はどちらからでも解除できますが、相手に不利な時期なら賠償が生じることがあります。請負で民法が定める、理由を問わない途中の解除は、注文者からのものです。8何日前に伝えれば抜けられるかを書いてもらうと安心です。

損害賠償は、まず上限の有無から。民法に金額の上限の定めはないので、上限の条項がなければ、報酬より大きな額を求められる余地が残ります。9110番も、損害賠償と称して報酬から一方的に差し引かれる相談が多いと書いています。

指示の受け方が社員に近いとき

名前が業務委託でも、労働者かどうかは働き方の実態で決まります。国のガイドラインの目安は、仕事を断れるか、細かい指揮命令を受けるか、場所と時間を管理されるか、代わりの人を立てられるか、報酬が時間で決まるかなど。1つ当てはまっただけでは決まらず、全体を見ます。労働者に当たれば労働基準法などが適用され、労働時間の通算も関わります。迷うときは総合労働相談コーナーで聞けます。

署名の前のチェックリスト

左に編集部の例の業務委託契約書、中央に見ること、右に基準を並べた図。1報酬の額は税込か税別か、源泉徴収の後の入金額、交通費や素材代の負担。対象の報酬なら源泉徴収は100万円以下で10.21%、経費の定めがなければ書かれた報酬の額だけを払う意味になる。2支払期日は具体的な日が決まるか、手数料を引かれないか。従業員がいる相手は受け取った日から60日以内、1か月以上の委託で手数料を差し引くと減額に当たる。3納期と修正はいつ完了と扱うか、修正の回数と超えた分、途中で見せる時期。国の使用例は修正指示2回まで、1回1,000円(税別)。4成果物の権利は譲渡か利用の許諾か、対価、著作者人格権の扱い。制作料を払っただけでは移らず、第27条と第28条の権利は書いていないと手元に残ると推定される。5秘密保持は範囲と期間、実績として出せるか、生成AIに入力してよいか、本業の情報を持ち込まない。6競業と専属は本業の勤め先に当たらないか、競合の範囲と期間。7解除と精算は途中までの報酬、自分からやめるときの予告、更新しないときの通知。従業員がいる相手との6か月以上の委託は30日前の予告。8損害賠償は金額の上限、報酬から差し引く前の説明。民法に金額の上限の定めはない。
業務委託契約書で署名の前に見る8か所と、基準になる決まりや資料(2026年10月時点)作成: 編集部 / 出典: 公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省 フリーランスガイドライン別添ほか

足りない行は聞いて大丈夫です。文面は短くて構いません(編集部の例です)。

聞くなら、条項を絞って無料で

フリーランス・トラブル110番は厚生労働省の委託事業で、弁護士に無料で相談できます。電話は0120-532-110(9時30分〜16時30分、土日祝日を除く)、メールは随時。

ただ、「網羅的なリーガルチェックは出来ません」とあるので、「この条項は変えてもらえるか」と絞って聞きましょう。勤務中の電話が心配なら、出られない時間帯を伝えられますし、メールなら通常3〜4営業日で返信があります。法律の当てはめは、公正取引委員会の窓口や都道府県労働局でも聞けます。

届いているPDFがあるなら、今夜は「修正」と「解除」で検索してみてください。書いていなければ、それが最初に聞く1行です。契約書の言葉で条件を話せるようになると、次の案件でも、本業で発注する側に回ったときも、その経験がそのまま生きます。

2026年10月30日時点の法令と公正取引委員会、厚生労働省、国税庁の資料で確認しました。個別の契約は弁護士や上の窓口に、税金は税務署か税理士に相談してください。

注

  1. フリーランス法第2条〜第5条・第16条、同施行令第1条・第3条 ↩

  2. 所得税法第204条第1項第1号、国税庁タックスアンサーNo.2792・No.2795・No.2502 ↩

  3. 公正取引委員会Q&A Q45・Q78、フリーランス法の解釈ガイドライン第2部第1の1 ↩

  4. 民法第632条・第656条 ↩

  5. 副業・兼業の促進に関するガイドライン ↩

  6. 同法第16条、公正取引委員会Q&A Q107・Q108。災害時などの例外あり ↩

  7. 民法第634条・第648条第3項・第648条の2第2項 ↩

  8. 民法第641条・第651条 ↩

  9. 民法第416条 ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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