2027年の暦で土日と祝日をすべて休みにすると、休日は120日、働く日は245日になります。1日8時間なら年間1,960時間で、週40時間の上限(365日の年で2,085.7時間)には余裕があります。ところが土曜日を隔週で出勤日にすると、働く日は271日、2,168時間になり、上限を超えます。会社カレンダーは、祝日を書き込む前に、この年間の時間の計算から始めます。
この記事は、2026年10月26日時点の法令と、内閣府・厚生労働省の資料にもとづいています。祝日の日付、休日の決め方、年間の所定労働時間、1年単位の変形労働時間制の協定と届出まで、翌年のカレンダーを作る順に説明します。
2027年の祝日・休日は17日 平日にあたるのは16日
内閣府のページには、令和9年(2027年)の国民の祝日がすでに載っています(2026年10月26日に確認)。春分の日と秋分の日は法律に日付がなく、国立天文台が前年の2月に官報で公表します。そのため、2027年の日付も確定しています。
| 月 |
祝日・休日(曜日) |
| 1月 |
元日 1日(金)・成人の日 11日(月) |
| 2月 |
建国記念の日 11日(木)・天皇誕生日 23日(火) |
| 3月 |
春分の日 21日(日)・休日 22日(月) |
| 4月 |
昭和の日 29日(木) |
| 5月 |
憲法記念日 3日(月)・みどりの日 4日(火)・こどもの日 5日(水) |
| 7月 |
海の日 19日(月) |
| 8月 |
山の日 11日(水) |
| 9月 |
敬老の日 20日(月)・秋分の日 23日(木) |
| 10月 |
スポーツの日 11日(月) |
| 11月 |
文化の日 3日(水)・勤労感謝の日 23日(火) |
出典: 内閣府「国民の祝日について」(2026年10月26日確認)。曜日は編集部が付けました。6月と12月に祝日はありません。
17日のうち、3月21日(春分の日)だけが日曜日に当たります。祝日法第3条第2項は、祝日が日曜日に当たるとき、その日の後で最も近い祝日でない日を休日にすると定めています。いわゆる振替休日で、2027年は3月22日(月)です。第3条第3項の「国民の休日」(前日と翌日がどちらも祝日の平日)は、2027年にはありません。9月20日と23日のあいだの21日・22日は、前日か翌日のどちらかが祝日でないためです。
連休になる所を先に押さえる
2027年の暦だけで連休になる所は、次のとおりです。
| 連休 |
日付 |
日数 |
| 年始 |
1月1日(金)〜3日(日) |
3日 |
| 成人の日 |
1月9日(土)〜11日(月) |
3日 |
| 春分の日 |
3月20日(土)〜22日(月) |
3日 |
| ゴールデンウィーク |
5月1日(土)〜5日(水) |
5日 |
| 海の日 |
7月17日(土)〜19日(月) |
3日 |
| 敬老の日 |
9月18日(土)〜20日(月) |
3日 |
| スポーツの日 |
10月9日(土)〜11日(月) |
3日 |
間に平日が1日だけ入る日があります。2月12日(金)、2月22日(月)、9月24日(金)、11月22日(月)は、休みにすると4連休です。4月30日(金)を休みにすると、昭和の日の4月29日から5月5日まで7連休になります。さらに5月6日(木)と7日(金)も休めば、8日・9日の土日と合わせて、4月29日から5月9日まで11連休です。8月11日(水)の山の日は、12日と13日を夏季休暇にすると、15日(日)まで5連休になります。
年末は、12月29日(水)から2028年1月3日(月)まで休みにする例で、6日連続です。2028年1月1日は土曜日で、土曜日に当たる祝日に振替はありません。12月29日〜31日の3日が、会社が決めて休みにする日です。
2027年の祝日・休日17日と連休になる所。土日と合わせた休日は120日作成: 編集部 / 出典: 内閣府「国民の祝日について」
祝日は、会社が休みにするかどうかを決める日です
祝日法は「国民の祝日」を休日とすると定めています(第3条第1項)。ただ、会社に祝日の休みを義務づけているのは、祝日法ではありません。労働基準法が求める休日は、第35条の週に少なくとも1回(4週間を通じて4日以上でもよい)だけです。祝日は、会社が就業規則や会社カレンダーで休日にしてはじめて休みになります。
|
法定休日 |
所定休日(法定外休日) |
| 決まりの出どころ |
労働基準法第35条 |
会社が就業規則・カレンダーで決める |
| 日数 |
週1回(または4週4日) |
土曜日・祝日・年末年始・夏季休暇など、会社の自由 |
| 休日に働かせたとき |
割増賃金は3割5分以上(政令) |
週40時間・1日8時間を超えた分が時間外労働で、2割5分以上 |
4週4日の休日を使うときは、4週間の起算日を就業規則などに書いておきます(施行規則第12条の2第2項)。割増賃金は、労働基準法第37条第1項と、その率を定める政令(時間外が2割5分、休日が3割5分)にもとづきます。
祝日を働く日にする会社は、そのぶん週40時間を超えない設計が要ります。次の計算が、その確認です。
年間の所定労働時間を出す 暦から先に数える
年間の所定労働時間は、1日の所定労働時間に、1年の労働日数をかけて出します。労働日数は、暦の日数から休日を引いた数です。比べる上限は、週40時間を暦の日数に直した値で、40時間×暦日数÷7です。
- 2027年1月〜12月(365日): 2,085.7時間
- 2027年4月〜2028年3月(366日。2028年は閏年): 2,091.4時間
2027年の暦で、休み方ごとに数えました。1日の所定労働時間は8時間です。
| 休み方 |
休日 |
労働日 |
年間の所定労働時間 |
上限との差 |
| 土日と祝日を休み |
120日 |
245日 |
1,960.0時間 |
125.7時間の余裕 |
| 上に年末年始3日(12月29〜31日)を足す |
123日 |
242日 |
1,936.0時間 |
149.7時間の余裕 |
| さらに夏季休暇3日を足す |
126日 |
239日 |
1,912.0時間 |
173.7時間の余裕 |
| 日曜と祝日が休み、土曜日は隔週で出勤 |
94日 |
271日 |
2,168.0時間 |
82.3時間の超過 |
出典: 内閣府の祝日一覧と労働基準法第32条をもとに、編集部が計算しました(2026年10月26日確認)。2027年の土曜日・日曜日は各52日、平日にあたる祝日・休日は16日です。「94日」は日曜52日、平日の祝日16日、土曜26日の合計です。
完全週休2日制で1日8時間なら、毎週40時間ちょうどで、年の計算をしなくても週40時間に収まります。計算が要るのは、週休2日でない会社と、1日の所定労働時間が8時間を超える日がある会社です。4行目のように上限を超えるなら、直す方法は2つあります。
- 1日の所定労働時間を短くする。271日なら、7時間40分で2,077.7時間になり、上限に収まる
- 1年単位の変形労働時間制で、忙しい時期に長く、閑散期に短く配分する。総枠は同じ2,085.7時間
1年単位の変形労働時間制で、忙しい時期に長く働く日を決める
1年単位の変形労働時間制は、1か月を超え1年以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間以下なら、特定の日や週に1日8時間・週40時間を超えて働かせてよい制度です(労働基準法第32条の4)。繁閑の差が大きい会社、祝日や土曜日を出勤日にしたい会社が使います。
働く日が年250日の会社なら、上限の2,085.7時間を250日で割って、1日平均8.34時間までです。
| 期間 |
日数 |
1日の所定労働時間 |
小計 |
| 繁忙期 |
100日 |
9時間 |
900.0時間 |
| 通常期・閑散期 |
150日 |
7時間45分 |
1,162.5時間 |
| 年間 |
250日 |
|
2,062.5時間 |
2,062.5時間は上限の2,085.7時間に収まります。繁忙期は週5日で45時間で、1週52時間の限度にも入ります。この配分を労使協定とカレンダーに書いておけば、繁忙期の1日9時間は、時間外労働になりません。
労使協定に書く5つの事項
協定は、労働者の過半数で組織する労働組合、なければ過半数を代表する者と、書面で結びます(第32条の4第1項)。過半数代表者は、管理監督者でないこと、協定を結ぶ者を選ぶと明らかにして投票や挙手などで選ばれた人で、会社の意向で選ばれた人でないことが条件です(施行規則第6条の2)。
| 事項 |
書くこと |
| 対象労働者の範囲 |
法律に人数や職種の制限はなく、範囲を明確に書く |
| 対象期間と起算日 |
1か月を超え1年以内。期間で定めるときは起算日も |
| 特定期間(定めるとき) |
対象期間のなかで特に忙しい期間。対象期間の相当部分は特定期間にできない |
| 労働日と労働日ごとの労働時間 |
年間カレンダーで示す。1か月以上の期間に区分する場合は、最初の期間だけ日と時間を定め、あとの期間は労働日数と総労働時間を定める |
| 有効期間 |
施行規則第12条の4第1項で定める事項 |
出典: 労働基準法第32条の4第1項、施行規則第12条の2・第12条の4第1項、厚生労働省リーフレット「1年単位の変形労働時間制」(令和3年3月)。
期間を区分した場合、2つ目以降の期間の労働日と時間は、その期間の初日の30日前までに、労働者の過半数代表の同意を得て、書面で決めます(第32条の4第2項、施行規則第12条の4第2項)。
限度は5つ 1日10時間・週52時間・年280日・連続6日
労働日と時間には、次の限度があります。数字は、厚生労働省のリーフレットと施行規則第12条の4で確かめました。
| 項目 |
限度 |
| 対象期間 |
1か月を超え1年以内。平均して週40時間以下 |
| 労働日数 |
対象期間が3か月を超えるとき、1年あたり280日(1年未満なら、280日×対象期間の暦日数÷365。端数は切り捨て) |
| 1日の労働時間 |
10時間 |
| 1週間の労働時間 |
52時間 |
| 週48時間を超える週(対象期間が3か月を超えるとき) |
連続は3週以下。対象期間を3か月ごとに区切ると、各期間で週の初日の数が3以下 |
| 連続して働かせる日数 |
6日。特定期間は、1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日) |
出典: 労働基準法施行規則第12条の4第3項〜第5項、厚生労働省リーフレット(令和3年3月)。
労働日数の280日は、365日の年なら、年間休日85日以上にあたります。
毎年の作り直しには、もう1つ注意があります。前の年の協定が3か月を超える対象期間だったとき、今年の1日の最長時間が「前の年の最長か9時間の長いほう」を超えるか、週の最長時間が「前の年の最長か48時間の長いほう」を超えると、労働日数の上限は、前の年の労働日数から1日減らした日数か280日の少ないほうです(施行規則第12条の4第3項ただし書き)。前の年が260日・9時間・週48時間で、今年は1日10時間にするなら、上限は259日です。
1年単位の変形労働時間制の限度。年280日・1日10時間・週52時間・連続6日作成: 編集部 / 出典: 労働基準法第32条の4・施行規則第12条の4・厚生労働省リーフレット
1か月単位との違い
1か月単位の変形労働時間制(第32条の2)との違いを、表にしました。
|
1か月単位 |
1年単位 |
| 条文 |
労働基準法第32条の2 |
労働基準法第32条の4 |
| 期間 |
1か月以内 |
1か月を超え1年以内 |
| 定める方法 |
労使協定、または就業規則その他これに準ずるもの |
労使協定 |
| 労使協定の届出 |
様式第3号の2 |
様式第4号 |
| 労働日数・1日・1週の限度 |
条文に数字の限度はない |
280日・10時間・52時間・連続6日などがある |
出典: 労働基準法第32条の2・第32条の4、施行規則第12条の2の2・第12条の4(2026年10月26日確認)。
就業規則で定められるのは1か月単位だけで、1年単位は労使協定が必須です。ここが、会社カレンダーを作るときの大きな分かれ目です。
協定届は様式第4号 対象期間の起算日までに出す
1年単位の変形労働時間制を使うには、協定を事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に届け出ます(施行規則第12条の4第6項)。事業場ごとの届出です。厚生労働省の労働局のページでは、起算日までに次の3点を届け出るとしています。
| 書類 |
備考 |
| 1年単位の変形労働時間制に関する協定届(様式第4号) |
法令で決まった様式 |
| 労使協定書 |
法令で決まった様式はない |
| 労働時間年間カレンダー(1日の所定労働時間と休日が分かる資料) |
法令で決まった様式はない |
出典: 福井労働局(厚生労働省)「1年単位の変形労働時間制について」(2026年10月26日確認)。
出し方は、窓口・郵送のほか、e-Govの電子申請があります。厚生労働省の様式のページでは、令和3年4月1日以降、協定届等の使用者の押印・署名は不要になり、協定の当事者の労働者代表が適格に選ばれたかを確かめるチェックボックスが加わりました。届出には電子申請の活用が勧められています。
起算日が1月1日の会社は、年末年始の休みに入る前に、4月1日起算の会社は、3月の年度末の前に、届出を済ませます。
就業規則と会社カレンダー 休日の定めと周知
休日は、始業・終業の時刻、休憩時間、休暇とともに、就業規則に必ず書く事項です(第89条第1号)。常時10人以上の労働者を使う事業場は、就業規則を作成して、労働基準監督署に届け出ます。作成と届出の手順は、就業規則とは 作る義務がある会社・届け出の手順と、社員が見ておきたい項目で説明しています。1年単位の変形労働時間制を採用するときは、採用する旨を就業規則にも書き、届け出ます(福井労働局のページ)。
会社カレンダーは、就業規則に「休日は、会社カレンダーによる」と書き、カレンダーを別紙にすると、年ごとに入れ替えやすくなります。別紙の入れ替えのたびに就業規則の変更届が要るかは、所轄の労働基準監督署に相談してください。
労使協定も、周知が義務です。労働基準法第106条は、第32条の4第1項の協定を、就業規則と同じように労働者に周知するよう求めています。方法は次の3つのどれかです(施行規則第52条の2)。
- 常時、各作業場の見やすい場所へ掲示するか、備え付ける
- 書面を労働者に交付する
- 電子ファイルに記録し、各作業場に、労働者がいつでも内容を確かめられる機器を置く
共有フォルダに置くだけで、閲覧できる機器が職場にない場合は、3の方法になりません。掲示か書面の配布を併せておくと安全です。
有給休暇の計画的付与は、同じカレンダーに印を付ける
年次有給休暇のうち5日を超える部分は、労使協定で日を決めて与えられます(第39条第6項)。会社カレンダーに載せるなら、夏季や年末年始、ゴールデンウィークの間の平日が使いやすい日です。2027年なら、5月6日・7日や8月12日・13日が例になります。
同じ日を、会社の休日にするか、計画的付与にするかで、年間休日の数が変わります。計画的付与の日は、休日ではなく、有給休暇を使う労働日です。年間休日の数には入れず、カレンダーの上で「有給(計画)」と別の印にします。変形労働時間制のカレンダーでは、その日も労働日として数えます。協定の書き方と手順は、年5日の有給休暇の義務 数え方・時季指定・管理簿の計画的付与の節にまとめています。この協定は、労働基準監督署への届出が要りません。
10月から12月の段取り 案・協定・届出・周知
翌年1月1日起算なら、10月に始めて、12月の前半に協定を結ぶ流れが現実的です。
- 10月: 来年の暦に、祝日と会社の休日を入れた案を作る。年間の所定労働時間を、上の表の方法で計算する。上限を超えるなら、変形制の対象と繁閑の山を考える
- 11月: 部署ごとに繁閑の時期を聞き取り、特定期間と労働日・時間を決める。限度(280日・10時間・52時間・連続6日)を、カレンダーに当てて確かめる
- 12月上旬: 過半数代表者を選ぶ(投票や挙手など)。協定書とカレンダーの内容を説明して、書面で協定を結ぶ
- 12月中旬: 様式第4号、協定書、年間カレンダーを、労働基準監督署に届け出る(電子申請でも出せる)
- 年内: 協定とカレンダーを、掲示・配布などで周知する。就業規則の休日の定めを、必要なら変更する
会社カレンダーの段取り。10月に案、12月に協定と届出、年内に周知作成: 編集部 / 出典: 労働基準法・施行規則・厚生労働省
起算日が4月1日の会社は、これを3か月ずらします(1〜2月に案、2〜3月に協定と届出)。2028年1〜3月の祝日は、内閣府が2027年2月に掲載するので、その日付で最終の確認をします。
同業の年間休日と比べるときは、年間休日の平均 業種別・規模別のデータと週休2日制の割合に、調査の数字があります。
協定届を出す前の点検表
カレンダーと協定を出す前に、次の7点を確かめます。
制度の適用は事業場ごとです。判断に迷うときは、所轄の労働基準監督署の相談窓口か、社会保険労務士に相談してください。