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年上の部下との接し方 呼び方と仕事の頼み方、言いにくい指摘の伝え方

年上の部下には、名前に「さん」を付けて、です・ますで話せば十分です。気をつけたいのは丁寧さよりも、決めることと任せることの線の引き方。文化審議会の「敬語の指針」とパワハラ防止の指針から、頼み方と指摘の言い方が例文で分かります。

公開 更新 約5分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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年上の部下との接し方 呼び方と仕事の頼み方、言いにくい指摘の伝え方

この記事でわかること

  • 呼び方は名前に「さん」、話し方はです・ます。「あなた」は冷たく響きやすい。
  • 頼むときは、決まっていることと任せることを分けて伝える。
  • 指摘は1対1で、人柄ではなく行動について。適正な指導はパワハラに当たらない。
対象実務

チームに年上のメンバーが入ると、最初に迷うのが言葉づかいです。答えから言うと、名前に「さん」を付けて、です・ますで話せば十分。上司になったからといって、口調を変える必要はありません。

むしろ気をつけたいのが、仕事の頼み方と、言いにくいことの伝え方です。文化審議会がまとめた「敬語の指針」には、決める立場にある人の言い方についての解説があり、年下の上司にもそのまま当てはまります。

年上の部下は、これからもっと増える

木の机を斜め上から見たところ。水色のブラウスの若い女性と、紺のカーディガンを着た白髪まじりの年上の男性が並んで座り、机の上の資料を見ている。男性が資料の一点を指さし、女性はペンを持って聞いている。資料には色の違う付箋が2枚。手前に開いたノートと革の表紙の閉じた手帳、緑茶の湯のみ、ペンがある。
決まっていることと任せることを、資料をはさんで確かめ合うイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

厚生労働省の集計では、2025年6月の時点で、65歳までの雇用を確保する措置をとっている企業が99.9%。そのうち65.1%が選んだのは、定年のあとも同じ会社で働ける継続雇用制度でした。70歳まで働ける措置をとる企業も34.8%で、前の年より2.9ポイント増えました。1

定年のあとも、管理職を降りたあとも、同じ職場で働き続ける人は珍しくありません。30代で主任やリーダーになれば、親に近い年のメンバーを持つことも十分にありえます。だから、迷うのは経験が足りないせいではありません。この組み合わせが、まだ新しいからです。

呼び方は「さん」、話し方はです・ますのままでいい

敬語の指針によれば、敬語は「相互尊重」の気持ちにもとづくもの。この相互尊重には、部下が上司を敬うことだけでなく、上司が部下の立場や状況を理解し、配慮することも含まれます。2

同じ指針には、敬語を使わないことも、ある人間関係を表してしまうという注意があります。2上司になった日から急にくだけた口調にすると、相手には「立場が変わったから」と受け取られかねません。これまでどおり名前に「さん」を付けて、です・ますで話すのが、いちばん波風の立たない形です。

呼びかけで避けたいのは「あなた」。指針によると、「あなた」は今では同等か下の立場の人に使うのが一般的で、名前を呼ばない分、やや冷たく響きます。代わりの例として挙がっているのは、「佐藤さんはどう考えますか。」のように名前で呼ぶ言い方です。3

頼み方は、決まっていることと任せることを分ける

敬語の指針には、決める権限のある人の言い方についての解説もあります。権限がある人でも、すべてを自分で決めてしまうより、相手の意思を尊重する姿勢を見せたほうが丁寧になる。ただ、決める権限が上の立場の人にあるとは限りません。権限のある下の立場の人と、権限のない上の立場の人は、お互いに配慮が必要だ、という内容です。4

年下の上司と年上の部下は、まさにこの関係にあたります。そこで、頼むときは、決まっていることと、相手に任せることを分けて伝えましょう。目的と期限、守ってほしい条件は、はっきり言う。進め方や手をつける順番は、相手に任せる。線がはっきりしていると、遠慮して全部をぼかす必要もなくなります。

同じ指針によると、「この仕事をしていただきます。」のように自分が決めると言い切る形は、きつく聞こえることがあります。4「お願いできますか」と相手に判断を残す形にしておくと、角が立ちません。前置きに使える言葉はクッション言葉の一覧で確認できます。

年上の部下への言い方の図。根拠は文化審議会答申「敬語の指針」(2007年)で、例文は編集部の例。頼むときは線を引いてから。決まっていることは目的(何に使うか)、期限、守ってほしい条件で、はっきり言う。任せることは進め方、手をつける順番、使う資料や道具で、相手の経験に任せる。言い換えの例は5つ。「あなたはどう考えますか」は名前を呼ばず冷たく響くので「鈴木さんはどう考えますか」に(指針の【20】)。「この仕事をしていただきます」は決めたと言い切る形なので「この仕事をお願いできますか」に(【31】)。前置きなしの「これ、お願いします」は「すみませんが、これをお願いできますか」に(【32】)。目的も期限も無い「これ、やっておいてください」は「部長会に出すので、木曜15時までにお願いできますか」に。上司になった日からくだけた口調にせず、これまでどおりです・ますで(指針の第1章)。まとめ、丁寧さを足すより、決まっていることと任せることの線をはっきりさせるほうが、年上の相手も動きやすい。
頼むときの線の引き方と、年上の部下への言い換えの例作成: 編集部 / 出典: 文化庁「敬語の指針」

言いにくい指摘は、1対1で行動について伝える

締め切りを過ぎた、新しい手順を使ってもらえない。相手が年上だと指摘をためらいがちですが、パワハラ防止の指針には、業務上必要で相当な範囲で行う適正な指示や指導は、パワハラに当たらないとはっきり書かれています。5指摘も、リーダーの仕事の一部です。

指針がパワハラに当たると考えられる例に挙げるのは、人格を否定するような言動や、ほかの人の前で大声で威圧的に叱ることを繰り返す、といったものです。5つまり、指摘はほかの人のいない場で、人柄ではなく行動について話せばいい、ということになります。

話す順番は、前置き、事実、影響、お願いの4つにそろえると落ち着いて話せます。最後に相手の事情を聞く一言を足すと、経験のある人の考えも引き出せます。

指摘の伝え方の図。伝える順番は編集部の整理で4つ。1は前置きで、10分ほどいいですか、とほかの人のいない場をつくる。避けたいのは人前で呼び止めること。2は事実で、いつ、どの件で、何が起きたかを1つだけ。避けたいのは「いつも」「毎回」とまとめること。3は影響で、だれの仕事に何が起きたか。避けたいのは「困るんですよね」で終えること。4はお願いと相談で、次からどうしてほしいかと、相手の事情を聞く一言。避けたいのは前の職場のやり方を否定すること。パワハラ防止の指針の線は、当たらないのが業務上必要で相当な範囲の適正な指示や指導と、遅刻など再三注意しても直らない人に一定程度強く注意すること。当たると考えられる例は、人格を否定するような言動、必要以上に長い厳しい叱責を繰り返すこと、ほかの人の前で大声で威圧的に叱ることを繰り返すこと。部下の側からも起こりうるとして、業務に必要な知識や豊富な経験を持ち協力がないと仕事が回らない部下の言動や、同僚・部下の集団による行為も、優越的な関係にあたりうる。まとめ、指摘はリーダーの仕事の一部で、ほかの人のいない場で、人柄ではなく行動について話す。
言いにくい指摘を伝える順番と、パワハラ防止の指針の線作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

反対の向きの話も、指針にはあります。業務に必要な知識や豊富な経験を持ち、その人の協力がなければ仕事が回らない部下の言動も、優越的な関係を背景にしたものに含まれうる、とされているのです。5もし指示をくり返し無視される、集団で無視されるといったときは、ひとりで抱えず、自分の上司や社内の相談窓口に話してかまいません。

年上の部下と組んだら確かめること

  1. 自分が決めてよいことと任された範囲を、上司に聞いておく。
  2. 最初の面談で、これまでの担当と得意な仕事、困っていることを聞く。
  3. 呼び方は名前に「さん」、話し方はです・ますにそろえる。
  4. 頼むときは、目的と期限、任せる所を分けて伝える。
  5. 指摘は1対1で、前置き、事実、影響、お願いの順に話す。
  6. 困ったときに話す相手(自分の上司、人事、社内の相談窓口)を確認しておく。

最初の1か月の段取りは初めてのリーダー・主任の心構えで、尊敬語と謙譲語の選び方は敬語の使い方で順を追って読めます。

年の差は、線を引けば気にならなくなる

年上のメンバーの経験は、チームにとって、いちばん手に入りにくいものです。決めることは決め、任せることは任せる。その線がはっきりしていれば、年の差は言葉づかいの悩みではなくなっていきます。

資料は、敬語の指針が文化庁、パワハラ防止の指針と高年齢者の雇用の集計が厚生労働省のサイトのもので、2026年11月3日時点の版です。

注

  1. 厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果」(2025年12月19日公表)。常時雇用する労働者が21人以上の企業237,739社の、2025年6月1日時点の状況 ↩

  2. 文化審議会答申「敬語の指針」(2007年2月2日)第1章の「基本的な認識」 ↩ ↩2

  3. 同、第3章の【20】 ↩

  4. 同、第3章の【31】 ↩ ↩2

  5. 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)の2「職場におけるパワーハラスメントの内容」 ↩ ↩2 ↩3

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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