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辞令の書き方と文例 人事異動の内示から発令・引き継ぎまでの段取り

辞令に法律で決まった形はなく、書くのは「だれを、いつから、どこへ」と、出した会社と日付です。4月1日付の定期異動を例に、内示と社内への公表の時期、辞令とお知らせの文例、発令後10日以内の転勤届までの段取りが分かります。

公開 更新 約6分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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辞令の書き方と文例 人事異動の内示から発令・引き継ぎまでの段取り

この記事でわかること

  • 辞令に書くのは、氏名、発令日、新しい所属や勤務地、交付日と会社名。
  • 内示は時間の余裕をもって伝え、転勤なら趣旨や手当の条件も説明する。
  • 事業所が変わる転勤は、雇用保険の転勤届を翌日から10日以内に出す。
対象人事実務

辞令には、法律で決まった形がありません。書くのは「だれを、いつから、どこへ」と、出した会社と日付。1枚の紙としてはそれほど難しくありませんが、迷うのはむしろ辞令の前後です。

内示をいつ伝えるか、社内にいつ知らせるか、発令のあとに何を届け出るか。4月1日付の定期異動なら、年明けから段取りが始まります。

辞令に書くのは「だれを、いつから、どこへ」

桜の枝が窓の外に見える明るい会議室。紺のカーディガンを着た女性が、丸いテーブルの向かいに座る白いシャツの若い男性に、1枚の白い紙を両手で差し出し、男性が両手で受け取っている。テーブルにはファイルと紅茶のカップ、小さな花瓶がある。
辞令は、本人に向き合って手渡すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

辞令は、会社が人事異動を命じたことを本人に書面で伝えるものです。命じる根拠は、就業規則にある配置転換の定めになります。法律で様式は決まっていないので、会社ごとの書き方でかまいません。ただ、次の5つは、どの会社の辞令にもそろえておきたいところです。

  1. 本人の氏名
  2. 発令日(「〇年〇月〇日付で」)
  3. 命じる内容(新しい所属・役職・勤務地)
  4. 今の所属(あとで見返したとき、どこからの異動か分かるように)
  5. 交付日と、会社名・代表者名(または人事の権限がある役職者の名前)

言い回しは、「〜勤務を命ずる」「〜に任ずる」が昔からの形です。役職を外すときは「〜を免ずる」を使います。

辞令の文例の図。令和9年4月1日付の異動の編集部の例で、法律の決まりは無く会社ごとの書式でよい。辞令の見本は、題が辞令、1が本人の氏名で〇〇〇〇殿、4が今の所属で(現 総務部総務課)、2が発令日で令和9年4月1日付をもって、3が命じる内容で人事部人事課勤務を命ずる、5が交付日と会社名・代表者名で令和9年3月15日 株式会社〇〇 代表取締役〇〇〇〇。場面ごとの書き方は、転勤が大阪支店営業課勤務を命ずる、昇格が経理部経理課課長に任ずる、役職を外すときが経理部経理課課長を免ずる、兼務が総務部総務課勤務を命ずる(人事部人事課を兼務)、出向が株式会社△△への出向を命ずる(期間 令和9年4月1日から令和11年3月31日まで)で、出向は本人の同意か就業規則などの詳しい出向の規定が別に要る。まとめ、文面は毎年同じ型でよく、会社の書式にこの5つが入っているかだけ確かめる。
辞令の見本と入れる5つの要素、場面ごとの書き方作成: 編集部 / 出典: 編集部、厚生労働省「確かめよう労働条件」

ただし、出向は辞令だけでは足りません。会社どうしの出向契約に加えて、本人の同意か、就業規則などに詳しい出向の規定があることが前提です。1異動、転勤、出向、転籍の違いで、場面ごとの違いを確認できます。

4月1日の発令から逆算する段取り

厚生労働省の「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」によると、転勤の候補になった時点で、本人の事情に変わりがないかを改めて確かめる。そのうえで、決まった転勤はできる限り時間の余裕をもって告知することが重要です。2

4月1日付の異動なら、次のように逆算できます(時期は編集部の目安)。

時期 すること
前の年の秋〜1月 自己申告などで、希望と家庭の事情を聞いておく
1月〜2月 異動案を決め、送り出す部署と受け入れる部署の上司とすり合わせる
2月下旬〜3月上旬 本人に内示する。転勤なら趣旨と期待する役割、手当などの条件も説明する
3月中旬 社内に公表し、取引先への挨拶の準備を始める
3月下旬 引き継ぎ、社宅や転居の手配
4月1日 辞令を交付する
4月11日まで 事業所が変わる人の雇用保険の転勤届を出す
人事異動の段取りの図。時期は4月1日付の定期異動の編集部の目安。前の年の秋から1月に希望と家庭の事情を聞いておき、転勤の候補になったら事情に変わりがないかを改めて確かめる。1月から2月に異動案を決め、送り出す側と受け入れる側の上司とすり合わせる。2月下旬から3月上旬に本人に内示し、できる限り時間の余裕をもって、転勤なら趣旨・期待する役割・手当などの条件も説明する。3月中旬に社内に全員同じ日に公表する。3月下旬に引き継ぎと社宅や転居の手配。4月1日に辞令を交付する。発令のあとの届け出は、雇用保険の転勤届が翌日から10日以内で、事業所が変わる転勤のとき転勤後の事業所を受け持つハローワークへ出し、4月1日付なら4月11日まで。健康保険・厚生年金は5日以内で、本社と支社が別の適用事業所なら資格の喪失届と取得届を出し、一括適用の承認があれば要らない。まとめ、辞令の1枚より内示・公表・届け出の日付を先に決め、年明けに表を1枚作っておく。
4月1日の発令から逆算した内示と公表の時期と、発令後の届け出の期限作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省、e-Gov法令検索、日本年金機構

内示は、口頭と紙で同じことを伝える

内示は、上司か人事が本人に直接伝えます。転勤の内示では、転勤の趣旨や期待する役割とともに、赴任旅費や単身赴任手当などの条件も説明するのが望ましい、とされます。2口頭だけだと聞きもらしが出るので、要点を書いた紙を一緒に渡すと確実です。

また、社内への公表は全員に同じ日に届く形にしておくと、うわさが先に広がるのを防げます。

お知らせの件名と最初の2文の組み立ては社内のお知らせ文の書き方で、異動する本人の挨拶は異動の挨拶メールの例文で、引き継ぎの資料は引き継ぎ書の書き方で読めます。

発令のあとの届け出は、10日と5日

事業所が変わる転勤では、雇用保険の転勤届を出します。期限は、転勤した日の翌日から数えて10日以内。出す先は、転勤後の事業所を受け持つハローワークです。34月1日付なら、4月11日が期限になります。

健康保険と厚生年金は、本社と支社がそれぞれ別の適用事業所になっている会社だと、異動のたびに資格の喪失届と取得届が要ります。期限は、どちらも事実があった日から5日以内です。4本社で人事や給与をまとめて管理している会社は、一括適用の承認を受けると、この届け出が要らなくなります。5自社がどちらなのかは、前もって確かめておきましょう。

転勤を断られたら、まず理由と契約を確かめる

就業規則に転勤を命じる定めがあり、勤務地を限る約束がなければ、会社は原則として転勤を命じられます。ただし最高裁は、業務上の必要性がない場合や、不当な動機・目的がある場合、本人に通常がまんすべき程度を大きく超える不利益を負わせる場合は、権利の濫用になるとしています。6

だから、本人から断りの申し出があったら、次の順で確かめていきます。

  • 断る理由を、本人から具体的に聞く。
  • 労働条件通知書の就業場所の「変更の範囲」を確認する。2024年4月からは、契約のときに書いて示す決まりです。7
  • 子の養育や家族の介護が難しくなる事情があれば、会社はその状況に配慮しなければなりません。8時期をずらす、単身赴任の手当や社宅を整えるなど、できることを考える。
  • 話し合いの日付と内容を記録に残す。

判例の詳しい内容と、職種を限る合意がある場合の考え方は、異動、転勤、出向、転籍の違いで確認できます。

発令までに確かめること

  1. 就業規則に、配置転換や転勤を命じる定めがあるか。
  2. 異動する人の労働条件通知書に、勤務地や仕事を限る約束がないか。
  3. 内示の日、社内に公表する日、辞令を交付する日を決めたか。
  4. 辞令に、氏名、発令日、新しい所属、今の所属、交付日と会社名が入っているか。
  5. 転勤の人に、趣旨と条件を説明する資料を用意したか。
  6. 雇用保険の転勤届と、社会保険の届け出が要るかを確認したか。

辞令の文面は、型さえ決めてしまえば毎年同じように作れます。時間がかかるのは、人の事情を聞くことと、伝える順番をそろえることのほうです。

年明けに段取りの表を1枚作っておけば、3月の忙しい時期にも、だれに何をいつ伝えるかで迷わずにすみます。

法令はe-Gov法令検索、ほかの資料は厚生労働省、日本年金機構、裁判所のサイトで、2026年11月3日時点のものです。辞令とお知らせの文例は編集部の例で、会社の書式に合わせて直して使ってください。

注

  1. 厚生労働省「確かめよう労働条件」の裁判例(出向) ↩

  2. 厚生労働省「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」(平成29年3月30日)の「転勤対象者への告知・説明」と、候補者の事情の確認 ↩ ↩2

  3. 雇用保険法施行規則第13条第1項 ↩

  4. 厚生年金保険法施行規則第15条、第22条 ↩

  5. 日本年金機構「一括適用」(2025年2月28日更新) ↩

  6. 最高裁判所第二小法廷 昭和61年7月14日判決(東亜ペイント事件) ↩

  7. 労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3。厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」 ↩

  8. 育児・介護休業法第26条 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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